報連相(報告・連絡・相談)ではなく、相連報の時代(3)
2013年8月15日
やる気満々!部下育成ブログ
ユアコンパスの中武です。
今回も続けて「報連相」のことを取り上げます。
最終回の3回目は「報告」についてです。
最近販売されている書籍の中には「報告」は不要だとするものがちらほら見かけられます。
私自身も、その本を数冊読みましたが、確かにそうだな、と思える点もあります。
例えば・・・
「報告とは上司の自己満足でしかない」
「報告している時間があるなら、何か一つでもお金になるものを生み出せ」
など。
特に、クリエイティブ系の仕事であれば、そういうこともなくはないかと思います。
一人の頭の中で、考えに考え抜いて何かを生み出す際に、報告などというものは時間の無駄だということなのでしょう。
しかし、私自身はやはり報告は必要なものである、という考え方です。
理由は3点あります。
組織の力はどのようにして高まるのか?
それは、組織に所属する全メンバーが他社(他者)から与えられた課題に対し、組織一丸となって取り組むことです。その場数を数多く踏む経験が多いほど、組織の力は高まります。
全メンバーの力を結集しようとしたときに、誰が、何を、どこまで、どうやってやっているかを理解しない組織では、先に進めたところで、うまくいかないことが多くなります。その際に誰かが聞かなければその状況を共有できないのは、やはりまずいと言わざるを得ません。組織に所属するメンバーからの自発的報告こそがチーム力を高めるのに必要なのです。
2.仕事の整理になるから・・・【成果を出すスピードを上げるために必要】
仕事に取り組むときに、目的+「何を、どこまで、いつまでに」やれば成功なのかを理解していなければ、仕事としては完結しません。しかも、それを理解している「つもり」になっていることも少なくありません。
報告をすることで、報告対象者からの「成功」と、本人が思っている「成功」にギャップがないかどうかを確認することができるのです。それはすなわち、仕事の整理です。
PDCAマネジメントサイクルでいうと、報告=報告対象者の「C:check」です。報告をし、NGだった場合にサイクルをもう一周回すことで、成功できるのです。よくできる社員こそ、報告をうまく活用し、サイクルを早く回して仕事を完成させているのです。報告がない中でだらだらと仕事を進めても成果が出せるスピードは一向に高まりません。
3.対人コミュニケーション力を身につけることができる・・・【ヒューマンスキルアップに必要】
これは、教育的見地に立つものです。
人材育成と称し、研修体系だけを整備してそれを実行すれば人材は育つと思っている人がいます。
また、トレーナーが必死になって指導さえしていれば人が育つ、と思っている人もいます。
これ、間違っています。
人が能力を習得していくための近道としては、その本人が「他人の知恵、知識、体験を借りながら仕事を進める」ことです。
その際にコミュニケーションができなければ他者の脳の中身は使えないのです。
コミュニケーションを取れることがナレッジマネジメント(knowledge management)の第一歩です。
その能力を習得できれば、難しい仕事でもこなしていけるようになるのです。
仕事の目的からは少し外れますが、事業の継続性(going concern)を維持する観点で人材育成は大切であり、その意味において報告は重要な役割を果たすのです。
以上、3回シリーズにわたりまして、報連相の大切さを書いてきました。
何かの参考にしていただければ幸いです。
今日もお読みいただき、ありがとうございます!